東海岸はこの時期になると日ごとにどんどん気温が下がってきます。
外は寒いです。
日が短くなってくると、こんな疑問を持つ人もいると思います。
気温によってボールを変えるべきか?
ゴルフボールは21度から32度(摂氏)で最適な性能が出るように設計されています。
ボールの温度を21度から32度(摂氏)に保てれば、ベストな状態で性能を享受できるわけです。
カバーの温度が21度を下回ると、少し硬くなり、少し初速が落ちます。
カバーの温度が32度を上回ると、少し柔らかくなり、少しスピン量が増えます。
私は、寒くなったりなど気温の変化によって、使うゴルフボールを変えることはお勧めしません。
その代わり、ボールを室内に保管してください。
外に置いたゴルフバッグの中や車のトランクに入れた状態だと、
気温が5度になれば、ボールの温度も5度になり、ボールの性能が十分に出なくなってしまいます。
しかし室温にキープされた21度のボールを持っていけば、コースに出た時点ではボールの温度は21度です。
私のアドバイスは、ボールをポケットの中に2、3個置くこと。
できれば、スキー用の手袋の中に入れておくとよいでしょう。
そうすれば、温かい状態を長くキープできます。
ボールはすぐに外気温と同じ温度まで下がるわけではありません。
ボールの温度が21度の状態でプレーを始めれば、5度の状態までは下がりません。
しかし5度のボールでラウンドを始めたら、21度になることはありません。
ですから、室内で保管したボールを持って、コースに出ることをお勧めします。
気温が違うからと言って、いつもと違うボールを使うのは得策ではありません。
ゴルフボールの性能は、ティーショット、グリーンを狙うショット、アプローチそれぞれで最高の結果が出るように設計されています。
寒いからと言って柔らかいディスタンスボールに変えると、ツアーボールの持つショートゲームのスピン性能を諦めなければなりません。
ですから、室温に保ったいつものボールをコースに持っていき、2、3個を温かい手袋に入れてホールごとに取り換えるとよいでしょう。
もしあまりに寒ければ、ラウンドはあきらめましょう(笑)。
様々なソーシャルサイトからたくさんの質問をいただきます。これから皆さんの質問のいくつかにお答えします。
最初に取り上げる質問は、シームです
ゴルフボールには、目に見えるシームがあるため、次の質問が生まれます。
シームはボールのパフォーマンスに影響を与えますか?
USGAには、対称性テストと呼ばれる要件があります。
確か2000年か2001年、Pro v1がリリースされた頃の話です。
ディンプルはゴルフボールのシームの周りに一列に並んでいます
シームにクラブヘッドが当たるようにティーアップして打つと、飛距離が出るという事象がありました。
それは大きな問題でした。しかし、一定の期間を経てそれは解決されました。
しかし、今でもシームに沿ってゴルフボールをティーアップすると、優位性が得られ、より飛ぶと考えているゴルファーがいます。
今はそのようなことはありません。
USGAはゴルフボールに対称性テストを課しています。
このテストではシームを縦に置いて打つ場合と、横に置いて打つ場合とでの性能差を調査します。
テストでは、ゴルフボールは260ヤードのショットで、滞空時間の差を0.5秒以内に収める必要があります。
正確には実際には0.4秒です。
対称ではなかった場合、つまり着地場所が大きく変わったり、飛距離が4ヤード以上違ったり、滞空時間の差が0.5秒以上ある場合は、テストに合格しません。これがUSGAのルールに適合するために空気力学に関して設計者に求められることです。
対称性テストはUSGAが課すのテストの一部ですが、スネルのボールは全てUSGAルール適合です。
ご覧の通り、スネルのボールにはシームがあります。
メーカーによっては、シームが見えないよう加工しています。
しかし、すべてのボールにシームがあります。
固形物(コアとマントル)の周りを、継ぎ目なくカバーで覆うことは不可能です。
スネルのようにはっきりとシームが見えるボールもあれば、シームレスと謳うボールでもよく見ると波型のシームがあります。
では、目に見える直線のシームと、目立たない波型のシームで性能に違いが生じるかといえば、
ありません。
対称性テストをクリアする前提で、我々スネルはボール初速を最大化し、スピン量を最適化しし、最大飛距離をデザインします。
飛距離を最大化するために、空気力学の点で大きな変更を加える必要はありません。
ちなみにスネルのボールはではシーム部分はスタンプを印刷するのに使っています。
多くの人はこのスタンプを、パッティング時のアライメントに使っています。
ちょっとした矢印ですが、パッティングの時にはとても便利です。
いずれにしても、ゴルフボールはどの面で打っても性能は同じです。安心して使ってください。
※このビデオは2019年10月23日にスネルゴルフ本社のウェブサイトに投稿された内容を、スネルゴルフジャパン/株式会社アジルパートナーズが日本語訳を加えてアップロードしたものです。
MTB BLACKとMTB-Xは、ともにドライバーショットはルール上限ぎりぎりまでよく飛ぶボールです。しかし、ショートアイアンからアプローチまでの
フィーリング(打感)と スピン性能が大きく異なります。
ここでは、以下の3つの視点でスネルゴルフのラインナップの性格を比較します。
分類 | MTB BLACK | MTB-X | MTB RED |
---|---|---|---|
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構造 | 3ピース | 3ピース | 4ピース |
ディンプル数 | 360個 | 360個 | 338個 |
カバー素材 | キャストウレタン | キャストウレタン | TPU 熱可塑性ウレタン |
コンプレッション | 75~80 | 85~90 | 75~80 |
打感 | 非常に柔らかい | しっかり | 柔らかい・アイアンはしっかり |
飛距離 | 非常によく飛ぶ | 非常によく飛ぶ | 非常によく飛ぶ |
弾道 | 低 | 低 | 中 |
ドライバースピン | 非常に少ない | 非常に少ない | MTB BLACKより多め |
ショートアイアンスピン | 適度 | 多め | 非常に多い |
ショートゲームスピン | 適度 | 適度 | 多め |
分類 | MTB BLACK | MTB-X | MTB RED |
---|---|---|---|
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タイトリストとの比較 | ProV1の2017年モデルに非常に近いフィーリング。 (全体的にスピン量が少ないことで飛距離増し、アイアンショットはグリーン上でよりマイルドに止まります) | ProV1-Xの2017年モデルに非常に近いフィーリング。 (ドライバーショットは同等、アイアンのスピン量は多めながら、低弾道で吹き上がりを抑えた設計です) | ProV1-Xの2017年モデルに非常に近いフィーリング。 (MTB BLACK、MTB-Xに比べて、弾道が高く、スピン量が多めです) |
その他ブランドとの比較 | Chrome Soft(キャロウェイ)/Tour B RX・RXS(ブリジストン)/TP5(テーラーメイド)/Z Star(スリクソン) | Chrome Soft X(キャロウェイ)/Tour B X(ブリジストン)/TP5X(テーラーメイド)/Z Star XV(スリクソン) | MTB REDが合わなかった方には、MTB BLACKとMTB-Xを両方改めて評価していただくことをお勧めします。 |
MTB BLACK/MTB-Xの比較表はこちらからダウンロードしていただけます。
「アマチュアこそツアーボールを使うべき」 スネルゴルフはそう考えています。
プロの試合でよく見かける、狙ったところにしっかり止まるアプローチ。
あのボールが打てるのは、技術があるからだけではありません。
止まるボールを使っているからです。
逆に言えば、いくらプロでも、スピンが効かず、グリーン上でグリップしないボールを止めることはできません。
「自分は下手だからどんなボールを使っても同じ」 と考えているあなた、ちょっと待ってください!
18ホール中、一度もパーオンしないと仮定しましょう。 ということは、少なくとも18回アプローチが必要です。
アプローチでよりカップに近いところで止まる球が打てれば、間違いなくパット数を減らすことができます。
さて、アマチュアがボールを止めることができるのか? もちろん、できます。(ミスの場合は除きます) では、止まるボールと止まらないボールで、どれくらい挙動が違うのか、テストしてみました。
状況は30ヤードのアプローチ、使ったボールは、
・スネルゴルフのMTB(スピンの効くツアーボール)
・2ピースボール(アプローチでスピンの効かないボール)です。
でもツアーボールは高いし……確かにその通りです。 しかし、スネルのMTB BLACK/MTB-Xは他社のツアーボールと同等、またはそれ以上の性能で価格は1ダース4600円(税抜) しかも耐久性抜群なのです。
27年間にわたりゴルフボールの設計に携わってきたディーン・スネルが、使いやすいボールとは何かについて語ります。
アイアンショットやアプローチの飛距離がばらつく……。 それは打ち方ではなく、使っているボールが原因なのかもしれません。
—– 以下にこの動画の日本語訳を記述します。
今回は使いやすいゴルフボールとは何かについて考えてみます。
私はスピン性能がゴルフボールの使いやすさを規定すると考えています。
糸巻バラタボールはドライバーのスピン量が4000 rpm(回転/分)ありました。
ちょっとミスすると、4000 rpmもあるため、 大きくフックしたりスライスしたりします。
ドライバーのコントロールが非常に難しいボールでした。
常にボールをクラブの芯で捉えることができるようなボールがあればよいのですが、そんなことは不可能です。
ですから、我々設計者はドライバーのスピン量をできるだけ少なくしました。
ドライバーはスピン量が少なければ、精度が増します。フックやスライスが少なくなり、スピン量の多いボールと比べてより易しいボールとなります。
さて、ドライバーからアプローチまで全体的にスピン量の少ない2ピースボールについて考えてみます。
フェアウェイでもラフでも、ボールの状況はどちらでも構いませんが、2ピースボールに対して最もよく聞かれる意見があります。
そもそも、2ピースボールを使うツアー選手が 皆無なのはなぜでしょうか?
理由は、アイアンショットの飛距離がばらつくからです。 2ピースボールはフェース面を上に滑ってスピンがかからずボールが高く上がります。ですから、飛んだり飛ばなかったりします。
同じ打ち方をしても150yだったり160yだったりと ばらつくためにツアー選手は使わないのです。
一方、柔らかいカバーのボールはフェースに喰いつき、低く打ち出されます。
低く打ち出されたスピンの効いたボールはコントロールしやすい。
だから、ツアー選手はウレタンカバーのボールを使うのです。 特にショートゲームでの性能を重視しているからです。
そういう訳で、ゴルフボールの使いやすさは スピン量によって規定されます。易しいボールを使いたいと考えるならば、ツアーボールを使うべきでしょう。理由はドライバーのスピン量が少なく、グリーンを狙うショットのスピン量をコントロールしやすいからです。
もちろん、ビギナーならば2ピースで十分です。
どのクラブでもボールが高く上がります。
9番アイアンで正確に152yを打ちたいわけではなく、9番でグリーンの方に行けばよい。そんなプレースタイルの方には2ピースでOKです。
2ピースにも、複層構造のツアーボールにも存在価値があります。 2ピースはスコアは気にせず仲間と楽しみたい人に適しています。 球は上がりますし打感はソフトです。 常に上達を目指し、良いスコアで回りたい人にはツアーボールです。 そんなゴルファーが求める易しさの幅は少し狭いものでしょう。
(質問)
MTB レッドとブラックの性能の違いを詳しく教えてください。
(ディーン・スネルの回答)
まずは、こちらのビデオをご覧ください。
また、二つの製品の違いを比較表にまとめました。
MTB BLACK | MTB RED | |
ドライバー飛距離 | ルール上限に近い 53.6m/sのヘッドスピードで320yに近い距離※ | ルール上限に近い 同左 |
ドライバースピン | 旧MTBより少ない | 旧MTBと同じ |
ドライバーの打感 | REDより柔らかい | BLACKより硬い |
ロングアイアンの飛距離 | 旧MTBより長い | 旧MTBと同じ |
ロングアイアンの打感 | REDより柔らかい | BLACKより硬い<r< td=””> </r<> |
ミドル・ショートアイアンのスピン | 旧MTBと同じ | BLACKより多い |
ショートゲームの打感 | 柔らかい | 柔らかい |
(ビデオのスクリプト)
新モデルのMTB BLACKは、コアのコンプレッションを小さくし、ドライバーのスピン量を減らしました。
ショートアイアンの性能は、MTBと全く同じです。
オリジナルのMTBがお好きでしたら、MTB BLACKをお使いください。
低コンプレッションの3ピース、ウレタンカバーのボールです。
ショートゲームの性能は、MTBと同じです。
特にドライバーのスピン量が多めの人は、飛距離が伸びることが期待できます。
コンプレッションは70から80で、とても柔らかいフィーリングです。
他社の高性能ボールと比べても全く引けを取らないことを
私自身がテストして確認しています。
皆さんの期待に応える一つ目のボールがMTB BLACKです。
ドライバーのスピン量が少なく、ショートゲームはMTBと全く同じ性能です。
もう一つ皆さんから多くの意見を頂いた点は、旧MTBがショートゲームや150ヤード以内の7番、8番、9番、PWでのスピン量が少ないというものです。
そこで私は、ドライバーのスピン量を抑えたまま、ショートアイアンのスピン量を増やす方法を考えました。
ショートゲームのスピンだけを増やすにはどうしたらよいでしょうか?
検討の結果、4ピースのウレタンボールになりました。
ウレタンカバーの下にもう一層加え、7番、8番、9番、PWで、MTB BLACKよりスピン量の多いボールが完成しました。
皆さんには2つのモデルを用意しました。
ぜひグリーン周りの性能を比べてみてください。
グリーンでの止まり方を見て、REDが戻りすぎると考えたらBLACKを、
BLACKがあまり止まらないと考えたら、REDをお勧めします。
どちらも柔らかいフィーリングですが、MTB BLACKとREDの性能はこの部分が大きく違います。
プレースタイルに合ったものをお選びいただければと思います。
これで、ショートゲームの性能が異なる2つのボールが完成しました。
皆さんのためにテスティング・パックを販売しています。
BLACKとREDが2スリーブずつ入っていて、値段は同じです。
150ヤード以内のショットを比べて見てください。
4ピース・ウレタンカバーのMTB RED
3ピース・ウレタンカバーのMTB BLACK
感想やご意見をぜひお聞かせください。
製品の改善や今後の製品開発に生かしていきたいと思います。
ありがとうございました。
(質問)
ゴルフボールの寿命について質問します。
ショット以外のダメージが無いと仮定して、ボールのパフォーマンスが低下するまでに、何ラウンドまたは何ホールプレーできますか?
(ディーン・スネルの回答)
ゴルフボールが何ホール持ちこたえられるかは、多くの要素に左右されます。
あるプレーヤーはボールスピードが速い上に、頻繁に木やカートパスに当てますが、そうでないプレーヤーもいます。プレー中にゴルフボールがどう扱われるかによりますが、一般論としてはは36ホール程度はボールパフォーマンスは変わりません。クラブが新しく、ウェッジも新しくてシャープな場合、ボールの表面に傷がつく傾向があり、その傷が理由でボールを交換する人もいます。
ドライバーテストでは、ボールがルール不適合のレベルまで劣化する、またはヒビが入るまでに100打以上は持ちこたえます。ヘッドスピードが非常に速かったり、気温が低い状況で同じテストを繰り返した場合には、この数値は下がります。
(質問)
ツアーボールは比較的値段が高いのですが、アマチュアが高くて高性能なボールを使う意味はありますか?
(ディーン・スネルの回答)
私はドライバーの飛距離を重視してボールを選ぶのは間違っていると考えています。
なぜならドライバーの飛距離は、現在ではディスタンスボールもツアーボールも同じだからです。
すべての公認球はUSGA/R&Aが定める飛距離上限いっぱいに飛ぶように設計されています。ですから、それ以上は飛びません。
一方で、ショートゲームの性能は全く異なります。
特にアプローチショットの多いアマチュアゴルファーにとっては、ショートゲームの性能こそが重要です。
適切なスピンが掛かれば、カップの近くにボールが止まるため、パット数が減る結果、スコアを縮めることができます。
池ポチャのロストボールは性能に問題があるか?
(質問)
池ポチャしたロストボールは性能に影響がありますか?
(ディーン・スネルの回答)
池に入ってすぐ取り出したボールは性能上の問題はありません。
ゴルフボールは長い間水に浸かっていると水分を吸収します。
ボールのコアが水分を吸収すると初速が極端に落ちてしまいます。そして、コアは一度水を吸ってしまうと、普通の状態では乾きません。
また、水分を吸収するとボールが重くなり、公式試合ではルールに抵触する恐れがあります。
できれば新品のボールでのプレーをお勧めします。
(質問)
最近4ピースや5ピースのボールが増えていますが、MTBは3ピースです。
これで高性能と言えるのでしょうか?
(ディーン・スネルの回答)
確かに、最近は3ピースよりも多い層を持つツアーボールが増えてきています。
過去に私もそういった製品を開発していました。
3ピース=安い=性能が不十分なのでは? と疑問を持たれるのも、もっともなことです。
しかし、結論から言いますと、4ピースや5ピースだから性能が高い、ということではありません。
このことを理解していただくために、これから2つのことをお話します。
まず、ボールを開発するにあたって、もっとも重要な要素の一つに「スピン・カーブ」というものがあります。スピン・カーブとは、番手ごとにどの程度のスピン性能があるかを図示したものです。
以下の図をご覧ください。
この図は縦軸にスピン量(下から上に多くなる)、横軸にゴルフクラブの番手(左から右に小さくなる)が示されています。
ここに、糸巻きバラタ、2ピース、ツアー使用率の高いボールA、そしてスネルゴルフのMTB(マイツアーボール)のスピン・カーブのイメージが記されています。
まず、一番下の2ピースのスピンカーブを見てください。2ピースの一般的な特性はスピン量が少ないことです。番手が変わっても、スピン量がそれほど増えません。当社のGet Sum(ゲットサム)がこれにあたります。
次に、一番上の糸巻きバラタを見てみます。糸巻きバラタは全体的にスピン量が多くなっています。グリーンを捉えるショットはスピンが効いて良いのですが、ドライバーのスピン量も多いことが問題でした。昔のパーシモン時代の選手がロフトを立ててゴルフボールを潰すように打っていたり、少し前のトーナメントプロのドライバーのロフトが6度や7度だったりしたのは、このためです。
しかし、キャストウレタン・カバーのツアーボールが開発されてから番手ごとのスピン量の設計が可能になりました。
ツアーボールのスピン・カーブは、この図の中の2本の曲線です。
ウェッジのショットは糸巻きバラタと同じレベルのスピン量を持ちながら、ドライバーのスピン量は劇的に減っています。
紫色の曲線はツアーで人気のボールAです。赤色の曲線で示された当社のMTBは、そのボールよりもドライバーショットはスピン量が少なく、ウェッジのスピン量は同程度です。
さて、もう一つのポイントをご説明します。
下図は、ゴルフクラブの番手別にボールがどの程度潰れるかをイメージ化したものです。
大きく分けると、ドライバー、アイアン、ウェッジの3種類のクラブが、それぞれコア、中間層、カバー層に作用します。これら3層をそれぞれ想定する番手の目的に合った機能を持たせることにより、番手別のスピン性能を作り出しているのです。
さて、最初のご質問に戻ります。
ある特定のプレーヤーが「ロングアイアンでもっとスピンがほしい」、あるいは「ショートアイアンのスピンをもう少し抑えたい」という要求したとしましょう。
それに応えるために、新しい層を加えて、特定の番手向けの性能を作ります。
それが4ピース、5ピースとなっていくわけです。
ゴルフボールに層を加えるごとに、製造コストが1ダースあたり何ドルかアップします。
それだけのコストを掛けてでも、もう一層、もう二層加える必要があるのか、ということなのです。
ですから、3ピースを超える多層構造は良し悪しの問題ではなく、特定の性能要求があるかどうか、という問題なのです。
私は3ピース構造で、ツアープレーヤーの使用に耐えうる性能は十分に実現可能だと考えています。