カテゴリーアーカイブ ゴルフボール講座

著者:snell2019

MTB BLACK/MTB-X 性能比較

MTB BLACKとMTB-Xは、ともにドライバーショットはルール上限ぎりぎりまでよく飛ぶボールです。しかし、ショートアイアンからアプローチまでの
フィーリング(打感)と スピン性能が大きく異なります。

ここでは、以下の3つの視点でスネルゴルフのラインナップの性格を比較します。

  1. MTB BLACK/MTB-X/MTB REDの比較
  2. 他ブランドとの比較
  3. MTB BLACKとMTB-Xの比較
  4. MTB REDとMTB-Xの比較

1.MTB BLACK/MTB-X/MTB REDの比較

分類MTB BLACK
MTB-XMTB RED
構造3ピース3ピース4ピース
ディンプル数360個360個338個
カバー素材キャストウレタンキャストウレタンTPU
熱可塑性ウレタン
コンプレッション75~8085~9075~80
打感非常に柔らかいしっかり柔らかい・アイアンはしっかり
飛距離非常によく飛ぶ非常によく飛ぶ非常によく飛ぶ
弾道
ドライバースピン非常に少ない非常に少ないMTB BLACKより多め
ショートアイアンスピン適度多め非常に多い
ショートゲームスピン適度適度多め

2. 他ブランドとの比較

分類MTB BLACKMTB-XMTB RED
タイトリストとの比較ProV1の2017年モデルに非常に近いフィーリング。
(全体的にスピン量が少ないことで飛距離増し、アイアンショットはグリーン上でよりマイルドに止まります)
ProV1-Xの2017年モデルに非常に近いフィーリング。
(ドライバーショットは同等、アイアンのスピン量は多めながら、低弾道で吹き上がりを抑えた設計です)
ProV1-Xの2017年モデルに非常に近いフィーリング。
(MTB BLACK、MTB-Xに比べて、弾道が高く、スピン量が多めです)
その他ブランドとの比較Chrome Soft(キャロウェイ)/Tour B RX・RXS(ブリジストン)/TP5(テーラーメイド)/Z Star(スリクソン) Chrome Soft X(キャロウェイ)/Tour B X(ブリジストン)/TP5X(テーラーメイド)/Z Star XV(スリクソン) MTB REDが合わなかった方には、MTB BLACKとMTB-Xを両方改めて評価していただくことをお勧めします。

3. MTB BLACKとMTB-Xの比較

  • 打感:BLACKの方が柔らかく、Xの方がしっかりした打感。
  • ドライバー:飛距離とスピン量は、ほとんど同じ。
  • フルアイアン:Xの方がスピン量多め/低弾道、BLACKはスピン量少なめ/高弾道。(違いはほんのわずかです。)
  • グリーン周り:キャストウレタンカバー効果で、どちらのボールも最高のスピン&コントロール性能。Xの方がややしっかりした打感。

4. MTB REDとMTB-Xの比較

  • 打感:同じ
  • ドライバー:Xの方がより飛び、ドライバースピンは少なめ。
  • フルアイアン:Xも高スピンだが、吹き上がりを抑えてコントロール性能を増したため、弾道はREDよりも低め。
  • グリーン周り:どちらもしっかりした打感でスピンが良く効くが、キャストウレタンカバー採用により、Xのコントロール性能と色を改善。

5. MTB REDとMTB-Xの比較表ダウンロード

MTB BLACK/MTB-Xの比較表はこちらからダウンロードしていただけます。

著者:snell2019

止まるボールと止まらないボールの性能比較

「アマチュアこそツアーボールを使うべき」 スネルゴルフはそう考えています。

プロの試合でよく見かける、狙ったところにしっかり止まるアプローチ。
あのボールが打てるのは、技術があるからだけではありません。
止まるボールを使っているからです。

逆に言えば、いくらプロでも、スピンが効かず、グリーン上でグリップしないボールを止めることはできません。
「自分は下手だからどんなボールを使っても同じ」 と考えているあなた、ちょっと待ってください!
18ホール中、一度もパーオンしないと仮定しましょう。 ということは、少なくとも18回アプローチが必要です。
アプローチでよりカップに近いところで止まる球が打てれば、間違いなくパット数を減らすことができます。

さて、アマチュアがボールを止めることができるのか? もちろん、できます。(ミスの場合は除きます) では、止まるボールと止まらないボールで、どれくらい挙動が違うのか、テストしてみました。
状況は30ヤードのアプローチ、使ったボールは、
・スネルゴルフのMTB(スピンの効くツアーボール)
・2ピースボール(アプローチでスピンの効かないボール)です。

でもツアーボールは高いし……確かにその通りです。 しかし、スネルのMTB BLACK/REDは他社のツアーボールと同等、またはそれ以上の性能で価格は1ダース4200円(税抜) しかも耐久性抜群なのです。

著者:snell2019

使いやすいゴルフボールとは?

27年間にわたりゴルフボールの設計に携わってきたディーン・スネルが、使いやすいボールとは何かについて語ります。
アイアンショットやアプローチの飛距離がばらつく……。 それは打ち方ではなく、使っているボールが原因なのかもしれません。
—– 以下にこの動画の日本語訳を記述します。

今回は使いやすいゴルフボールとは何かについて考えてみます。
私はスピン性能がゴルフボールの使いやすさを規定すると考えています。
糸巻バラタボールはドライバーのスピン量が4000 rpm(回転/分)ありました。
ちょっとミスすると、4000 rpmもあるため、 大きくフックしたりスライスしたりします。
ドライバーのコントロールが非常に難しいボールでした。

常にボールをクラブの芯で捉えることができるようなボールがあればよいのですが、そんなことは不可能です。

ですから、我々設計者はドライバーのスピン量をできるだけ少なくしました。
ドライバーはスピン量が少なければ、精度が増します。フックやスライスが少なくなり、スピン量の多いボールと比べてより易しいボールとなります。

さて、ドライバーからアプローチまで全体的にスピン量の少ない2ピースボールについて考えてみます。
フェアウェイでもラフでも、ボールの状況はどちらでも構いませんが、2ピースボールに対して最もよく聞かれる意見があります。

そもそも、2ピースボールを使うツアー選手が 皆無なのはなぜでしょうか?
理由は、アイアンショットの飛距離がばらつくからです。 2ピースボールはフェース面を上に滑ってスピンがかからずボールが高く上がります。ですから、飛んだり飛ばなかったりします。
同じ打ち方をしても150yだったり160yだったりと ばらつくためにツアー選手は使わないのです。

一方、柔らかいカバーのボールはフェースに喰いつき、低く打ち出されます。
低く打ち出されたスピンの効いたボールはコントロールしやすい。
だから、ツアー選手はウレタンカバーのボールを使うのです。 特にショートゲームでの性能を重視しているからです。
そういう訳で、ゴルフボールの使いやすさは スピン量によって規定されます。易しいボールを使いたいと考えるならば、ツアーボールを使うべきでしょう。理由はドライバーのスピン量が少なく、グリーンを狙うショットのスピン量をコントロールしやすいからです。

もちろん、ビギナーならば2ピースで十分です。
どのクラブでもボールが高く上がります。
9番アイアンで正確に152yを打ちたいわけではなく、9番でグリーンの方に行けばよい。そんなプレースタイルの方には2ピースでOKです。

2ピースにも、複層構造のツアーボールにも存在価値があります。 2ピースはスコアは気にせず仲間と楽しみたい人に適しています。 球は上がりますし打感はソフトです。 常に上達を目指し、良いスコアで回りたい人にはツアーボールです。 そんなゴルファーが求める易しさの幅は少し狭いものでしょう。

著者:snell2019

MTB REDとBLACKの違いについて教えてください。(レッドとブラックの性能比較)


(質問)
MTB レッドとブラックの性能の違いを詳しく教えてください。

(ディーン・スネルの回答)

まずは、こちらのビデオをご覧ください。

また、二つの製品の違いを比較表にまとめました。

MTB BLACKMTB RED
ドライバー飛距離ルール上限に近い
53.6m/sのヘッドスピードで320yに近い距離※
ルール上限に近い
同左
ドライバースピン旧MTBより少ない旧MTBと同じ
ドライバーの打感REDより柔らかいBLACKより硬い
ロングアイアンの飛距離旧MTBより長い旧MTBと同じ
ロングアイアンの打感REDより柔らかいBLACKより硬い<r< td=””> </r<>
ミドル・ショートアイアンのスピン旧MTBと同じBLACKより多い
ショートゲームの打感柔らかい柔らかい

USGAのゴルフボールテストプロセスの文書を参考

(ビデオのスクリプト)
新モデルのMTB BLACKは、コアのコンプレッションを小さくし、ドライバーのスピン量を減らしました。
ショートアイアンの性能は、MTBと全く同じです。
オリジナルのMTBがお好きでしたら、MTB BLACKをお使いください。
低コンプレッションの3ピース、ウレタンカバーのボールです。
ショートゲームの性能は、MTBと同じです。
特にドライバーのスピン量が多めの人は、飛距離が伸びることが期待できます。
コンプレッションは70から80で、とても柔らかいフィーリングです。
他社の高性能ボールと比べても全く引けを取らないことを
私自身がテストして確認しています。
皆さんの期待に応える一つ目のボールがMTB BLACKです。
ドライバーのスピン量が少なく、ショートゲームはMTBと全く同じ性能です。

もう一つ皆さんから多くの意見を頂いた点は、旧MTBがショートゲームや150ヤード以内の7番、8番、9番、PWでのスピン量が少ないというものです。
そこで私は、ドライバーのスピン量を抑えたまま、ショートアイアンのスピン量を増やす方法を考えました。
ショートゲームのスピンだけを増やすにはどうしたらよいでしょうか?
検討の結果、4ピースのウレタンボールになりました。
ウレタンカバーの下にもう一層加え、7番、8番、9番、PWで、MTB BLACKよりスピン量の多いボールが完成しました。

皆さんには2つのモデルを用意しました。
ぜひグリーン周りの性能を比べてみてください。
グリーンでの止まり方を見て、REDが戻りすぎると考えたらBLACKを、
BLACKがあまり止まらないと考えたら、REDをお勧めします。
どちらも柔らかいフィーリングですが、MTB BLACKとREDの性能はこの部分が大きく違います。
プレースタイルに合ったものをお選びいただければと思います。

これで、ショートゲームの性能が異なる2つのボールが完成しました。
皆さんのためにテスティング・パックを販売しています。
BLACKとREDが2スリーブずつ入っていて、値段は同じです。
150ヤード以内のショットを比べて見てください。

4ピース・ウレタンカバーのMTB RED
3ピース・ウレタンカバーのMTB BLACK

感想やご意見をぜひお聞かせください。
製品の改善や今後の製品開発に生かしていきたいと思います。
ありがとうございました。

著者:snell2019

ゴルフボールは何ラウンドまたは何ホールプレーできますか?

(質問)
ゴルフボールの寿命について質問します。
ショット以外のダメージが無いと仮定して、ボールのパフォーマンスが低下するまでに、何ラウンドまたは何ホールプレーできますか?

(ディーン・スネルの回答)
ゴルフボールが何ホール持ちこたえられるかは、多くの要素に左右されます。
あるプレーヤーはボールスピードが速い上に、頻繁に木やカートパスに当てますが、そうでないプレーヤーもいます。プレー中にゴルフボールがどう扱われるかによりますが、一般論としてはは36ホール程度はボールパフォーマンスは変わりません。クラブが新しく、ウェッジも新しくてシャープな場合、ボールの表面に傷がつく傾向があり、その傷が理由でボールを交換する人もいます。
ドライバーテストでは、ボールがルール不適合のレベルまで劣化する、またはヒビが入るまでに100打以上は持ちこたえます。ヘッドスピードが非常に速かったり、気温が低い状況で同じテストを繰り返した場合には、この数値は下がります。

著者:snell2019

アマチュアがツアーボールを使う意味はあるのか

(質問)
ツアーボールは比較的値段が高いのですが、アマチュアが高くて高性能なボールを使う意味はありますか?

(ディーン・スネルの回答)

私はドライバーの飛距離を重視してボールを選ぶのは間違っていると考えています。
なぜならドライバーの飛距離は、現在ではディスタンスボールもツアーボールも同じだからです。
すべての公認球はUSGA/R&Aが定める飛距離上限いっぱいに飛ぶように設計されています。ですから、それ以上は飛びません。

一方で、ショートゲームの性能は全く異なります。
特にアプローチショットの多いアマチュアゴルファーにとっては、ショートゲームの性能こそが重要です。
適切なスピンが掛かれば、カップの近くにボールが止まるため、パット数が減る結果、スコアを縮めることができます。

著者:snell2019

池ポチャのロストボールは性能に問題があるか?

池ポチャのロストボールは性能に問題があるか?

(質問)
池ポチャしたロストボールは性能に影響がありますか?

(ディーン・スネルの回答)
池に入ってすぐ取り出したボールは性能上の問題はありません。
ゴルフボールは長い間水に浸かっていると水分を吸収します。
ボールのコアが水分を吸収すると初速が極端に落ちてしまいます。そして、コアは一度水を吸ってしまうと、普通の状態では乾きません。
また、水分を吸収するとボールが重くなり、公式試合ではルールに抵触する恐れがあります。

できれば新品のボールでのプレーをお勧めします。

著者:snell2019

4ピースや5ピースのほうが性能が高いんですか?

(質問)
最近4ピースや5ピースのボールが増えていますが、MTBは3ピースです。
これで高性能と言えるのでしょうか?

(ディーン・スネルの回答)
確かに、最近は3ピースよりも多い層を持つツアーボールが増えてきています。
過去に私もそういった製品を開発していました。
3ピース=安い=性能が不十分なのでは? と疑問を持たれるのも、もっともなことです。
しかし、結論から言いますと、4ピースや5ピースだから性能が高い、ということではありません。
このことを理解していただくために、これから2つのことをお話します。

まず、ボールを開発するにあたって、もっとも重要な要素の一つに「スピン・カーブ」というものがあります。スピン・カーブとは、番手ごとにどの程度のスピン性能があるかを図示したものです。
以下の図をご覧ください。

ゴルフボールのスピン・カーブ
ゴルフボールのスピン・カーブ

この図は縦軸にスピン量(下から上に多くなる)、横軸にゴルフクラブの番手(左から右に小さくなる)が示されています。
ここに、糸巻きバラタ、2ピース、ツアー使用率の高いボールA、そしてスネルゴルフのMTB(マイツアーボール)のスピン・カーブのイメージが記されています。
まず、一番下の2ピースのスピンカーブを見てください。2ピースの一般的な特性はスピン量が少ないことです。番手が変わっても、スピン量がそれほど増えません。当社のGet Sum(ゲットサム)がこれにあたります。

次に、一番上の糸巻きバラタを見てみます。糸巻きバラタは全体的にスピン量が多くなっています。グリーンを捉えるショットはスピンが効いて良いのですが、ドライバーのスピン量も多いことが問題でした。昔のパーシモン時代の選手がロフトを立ててゴルフボールを潰すように打っていたり、少し前のトーナメントプロのドライバーのロフトが6度や7度だったりしたのは、このためです。

しかし、キャストウレタン・カバーのツアーボールが開発されてから番手ごとのスピン量の設計が可能になりました。
ツアーボールのスピン・カーブは、この図の中の2本の曲線です。
ウェッジのショットは糸巻きバラタと同じレベルのスピン量を持ちながら、ドライバーのスピン量は劇的に減っています。
紫色の曲線はツアーで人気のボールAです。赤色の曲線で示された当社のMTBは、そのボールよりもドライバーショットはスピン量が少なく、ウェッジのスピン量は同程度です。

さて、もう一つのポイントをご説明します。
下図は、ゴルフクラブの番手別にボールがどの程度潰れるかをイメージ化したものです。

ゴルフボールのコアとカバーの役割について
ゴルフボールのコアとカバーの役割について。

大きく分けると、ドライバー、アイアン、ウェッジの3種類のクラブが、それぞれコア、中間層、カバー層に作用します。これら3層をそれぞれ想定する番手の目的に合った機能を持たせることにより、番手別のスピン性能を作り出しているのです。

さて、最初のご質問に戻ります。
ある特定のプレーヤーが「ロングアイアンでもっとスピンがほしい」、あるいは「ショートアイアンのスピンをもう少し抑えたい」という要求したとしましょう。
それに応えるために、新しい層を加えて、特定の番手向けの性能を作ります。
それが4ピース、5ピースとなっていくわけです。
ゴルフボールに層を加えるごとに、製造コストが1ダースあたり何ドルかアップします。
それだけのコストを掛けてでも、もう一層、もう二層加える必要があるのか、ということなのです。

ですから、3ピースを超える多層構造は良し悪しの問題ではなく、特定の性能要求があるかどうか、という問題なのです。
私は3ピース構造で、ツアープレーヤーの使用に耐えうる性能は十分に実現可能だと考えています。

著者:snell2019

ゴルフボールのシーム(継ぎ目)は性能に影響しますか?

(質問)
私が最後に使ったシーム(継ぎ目)のあるゴルフボールはPentaでした。
MTBは最高のゴルフボールかもしれませんが、いまだにシームが存在するという点が納得できません。ゴルフボールの置き方によってはシームがボールの飛び方に影響する気がしていますが、実際はどうなのでしょうか。

(ディーン・スネルの回答)

※2016/11/20更新
先日行われたライブにて、ディーン・スネルが直接動画でこの問題に答えております。

更新部分はここまで※

シームに関する質問はとても興味深いものです。いつも不思議に思うのですが、二つのものが接着または化学的に結合された時に、いったいどうやって継ぎ目を無くすのでしょうか。言いかえると、継ぎ目なしにカバー内側にコアやマントルを入れるのでしょうか。
全てのゴルフボールにはシームが存在します。一見シーム無しに見えるゴルフボールは、図のようにシームをジグザクに配置することで、シームが目立たないように作られているのです。

ゴルフボールのシーム(継ぎ目)を目立たなくする方法について
ゴルフボールのシーム(継ぎ目)を目立たなくする方法について

カバーを組み合わせた後に接合部を研磨しますが、それでもシームは存在しています。
性能に関してもお答えします。USGAはとても厳しい対称性テスト(Symmetry Test)を行っており、ルール適合認定を受けるにはこのテストをパスしなくてはなりません。当社のゴルフボールはロングドライバーショット(例えば290ヤード)でどの向きでボールをティーアップしたとしても飛距離は同じです。スネルゴルフのディンプルパターンは、当然この対称性テストをパスしています。
安心してお使いください。

著者:snell2019

プレミアムゴルフボールのメリットとデメリット(投稿記事)

プレミアムゴルフボールのメリットとデメリット

ディーン・スネル

※以下の文章は、オンラインのゴルフ誌「golfwrx.com」に掲載された記事を、米国スネルゴルフの正規代理店、株式会社アジルパートナーズが翻訳・編集したものです。

(日本語訳)
こんにちは、ディーン・スネルと申します。私はスネル・ゴルフというゴルフボールの会社を経営しています。もしかすると、この会社名を聞いたことがある方、あるいは私のゴルフボールを使ったことがある方もいらっしゃるかもしれません。そうであれば、私はとてもうれしく思います。

今日の話は私の会社がテーマではありません。本稿の目的は、皆さんが自分に最適なボールを選ぶためのアドバイスをすることです。

私は皆さんと同じように、熱心なゴルファーです。そして、同じようにこのサイトでゴルフのヒントを見つけています。私は皆さんからの、私の開発したボールに対するコメント、あるいはゴルフボール全般に関する意見を、とても楽しく拝読しています。それらの点が、この寄稿を引き受けた理由です。この記事によって、皆さんがいくつかスコアを縮め、何ドルか節約していただくことを願っています。

さて、世の中にはゴルフボールは2種類あります。というより、2種類しかありません。
一つは「プレミアムボール」。「ツアーボール」とも呼ばれています。
そして、もう一つはそれ以外。しかし、この先の話をシンプルにするために、「ディスタンス系ボール」と呼ぶことにしましょう。一般的にディスタンス系ボールのほうがツアーボールより低価格です。
ちなみに、どちらのボールを選ぶかはあなたの自由です。事実、私の会社では2種類のボールを両方ともラインナップし、ゴルファーにお勧めしています。
ツアーボールは確かに、ディスタンス系ボールより性能が優れています。しかし、だからといってすべてのゴルファーにツアーボールが必要なわけではありません。
以下の話を読み進めていただければ、その理由を理解していただけるでしょう。

私は27年間、ゴルフボールのデザインに携わってきました。その間にゴルフボールの設計は劇的に変化しています。あまりにも変化のスピードが速いので、多くのゴルファーはツアーボールが一体どういうものなのか、正しく理解していないのではと思います。
90年代初頭を振り返ると、ゴルフボールの性能テストはドライバーと8番アイアンで行っていました。タイトリストの「ツアー・バラタ」が当時のツアーボールでしたが、ドライバーのスピンがとにかく多かったものです。実際、当時のツアープロはロフト6度や7度のドライバーを使っていました。これは、ドライバーのスピン量を少しでも抑えるためです。アベレージゴルファーはもっとスピン量が多いので、ボールは吹き上がり、右にも左にも大きく曲がっていました。
当時アベレージゴルファーのドライバーのスピン量は4000rpm程度ありましたが、最近のツアーボールを使えば、2500rpmのドライバーショットを打つこともできるようになりました。スピン量が減ればドライバーは飛ぶようになります。アベレージゴルファーがディスタンス系ボールを好むのは、グリーン上でビシっと止まらなくても、飛距離が欲しいからです。
ツアー・バラタ全盛時代からしばらくの後、今日のツアーボールは複層構造になっています。それにより、番手別にスピン量をコントロールすることが可能になりました。これが意味することは、最近のツアーボールは、昔のツアーボールのコントロールと、昔のディスタンス系ボールの飛距離性能の両方を持ち合わせている、ということです。
そして、最近のディスタンス系ボールは、昔のそれよりもずっと飛距離が出ます。しかし、番手別にスピン量がコントロールされているわけではありません。どんなクラブで打ってもスピン量が少ないのです。そのため、曲げたいときにゴルフボールが曲がらなかったり、高く上がりすぎたり、場合によってはフライヤーになってしまうこともあります。

さて、これからが本稿で一番大事な話です。

ツアーボールもディスタンス系ボールも、ドライバーの飛距離は同じです。理由は、第一線のゴルフボール設計者は、ドライバーのスピン量をほぼ同じ範囲で開発しているからです。そして、ディンプル数は各ボールの特性に合わせて最適化されています。ほとんどのゴルフボールはUSGAのルール上限に合わせて作られています。言い換えれば、きちんとしたメーカーのボールは、USGAルール上限のドライバー飛距離性能を持っています。
しかし、グリーンを狙うショットでは、ツアーボールの性能がディスタンス系ボールのそれを凌駕します。統計的に150ヤード以内のショットが一番多く、さらにその半分は100ヤード以内のショットです。150ヤード、100ヤード以内では、ツアーボールの恩恵を受けるゴルファーが少なからずいます。ツアープロのようにバックスピンでボールを戻せるほどではないにせよ、ツアーボールはグリーン上でスピンがきちんとかかります。
ウェッジのショットでは、スピン量が1000rpm増えるごとに、グリーン上の落下地点からの距離が5フィート(約1.5メートル)、より近くに止まります。ゴルフボールが狙ったところに止まれば、バーディーの確率は増え、3パットのリスクも減ります。

つまり、ドライバーのスピン量が少なく、ショートゲームのスピン量とコントロールが増すことが、ツアーボールの最大のメリットです。
とはいえ、最近のゴルフボール選びは、ほぼフィーリングの世界に入っています。昔のディスタンス系ボールはフィーリングが硬く、ツアーボールは柔らかいという印象がありました。上級者はソフトなフィーリングを好んだものです。しかし、飛距離性能を伸ばすために、ツアーボールは年々少しずつ硬くなってきました。そして、反対にディスタンス系ボールのフィーリングは柔らかくなってきました。
さらに、これは昔も今も同じですが、ディスタンス系ボールの耐久性はゴルファーにメリットがあります。ディスタンス系ボールのカバーに採用されているアイオノマーやサーリンは、切れたり傷がついたりしにくいという特性を持っています。しかしながら、最近のウレタンカバーの技術革新により、ツアーボールの耐久性も非常に高くなってきています。

ツアーボールの最大のデメリットは、値段が高いことです。1ダース48ドルもします。ディスタンス系ボールよりツアーボールのほうが値段が高いことには理由があります。ツアーボールは最低でも3層構造になっていますから、ここにコストがかかります。加えて、ウレタンのカバーは材料費も工賃も高くつきます。

さて、ここまでお読みになって、まだどちらのボールがよいか決めきれないあなたに、もう一つアドバイスを差し上げましょう。
ツアーボールとディスタンス系ボールをそれぞれ1スリーブ(3個)ずつ買って、ゴルフコースで打ってみてください。そして、100ヤード、75ヤード、40ヤードで何度か試してください。さらに、いろんなライからアプローチと、パットを打ってみてください。
これを何ホールか試せば、どのボールが好きかわかってくるはずです。その結果ツアーボールを選ぶとは限りません。印象も結果もたいして変わらないのであれば、わざわざツアーボールを買う必要はありません。