Q05 – 極薄キャスト・ウレタンカバーとは?

(質問)
ツアー用のボールは、すべて薄いキャスト・ウレタンカバーを採用していますか?
もしそうだとすれば、なぜですか?

(ディーン・スネルの回答)



キャスト・ウレタンは非常に優れたカバーです。
現時点ではベストの素材であると、私は考えています。
キャスト・ウレタンが初めて採用されたのは、
95年に日本で販売されたタイトリスト「ツアー・プレステージ」です。
その後Professional、プロV1に取り入れられました。
まさに「ツアーカバー」と呼ぶべき素材で、
Professionalはメジャーで勝っただけでなく、
選手に数多くの優勝をもたらしました。

ところで、ツアーボールの多くにはウレタンカバーが採用されています。
ウレタンカバーと一言でいいますが、実は2種類あることはご存知でしたか?

それは、熱可塑性ウレタンと、熱硬化性ウレタンです。
はっきり言って、全く異なる素材です。

まず、熱可塑性ウレタンについてです。
英語ではThermoplastic Urethane、略してTPUと言います。
これは、熱を加えると形が変わる(=可塑性)ウレタンです。
扱いやすいため、スマホのケースなど、日用品に幅広く使われています。

もう一つは、熱硬化性ウレタンです。
英語では、Thermoset Urethane、略してTSUと言います。
その製法から、キャスト・ウレタンとも呼ばれます。
これは、熱を加えると固まるウレタンです。
扱いは簡単ではありません。

さて、ゴルフボールの話に戻ります。

ブリジストン、スリクソン、キャロウェイなどはTPUをカバーに使っています。
これは、押出し鋳込射出成形の固形ペレットを使っています。
ウレタンの固形ペレットを型に入れて、熱を加えながら射出成形します。
だいたい、50秒で8個のボールを作ることができます。

もし不具合が出れば、塗装を剥がし、TPUを溶かして作り直すことができます。
熱で溶かすことができるからです。
また、一般論としてカバーは厚めです。
これが、熱可塑性ウレタン(TPU)です。

一方の熱硬化性ウレタン(TSU)は、液体です。
AとB、2種類の液体を混ぜ合わせて30秒から60秒待つと、固まって、元には戻りません。
化学的に結合するために、溶かせません。
不具合が出ると、スクラップです。
そうした問題があり、お金もかかります。

液体のTSUを入れた鋳型にコアを乗せ、TSUを入れた別の鋳型を上からかぶせてボールの形にします。
いろんな工程を経ると、ボール一個を作るのに20分かかります。

TPUは50秒で8個作れますが、TSUでは20分で1個しか作れない。
しかし、TSUのキャスト・ウレタンはカバーを非常に薄くできますし、
耐久性はTPUとは比較になりません。

TSUキャスト・ウレタンは柔らかくすればするほど、耐久性が上がりますが、
TPUでは柔らかくすればするほど、耐久性が落ちてしまいます。

現在この技術でゴルフボールを作っているのは、タイトリスト、テーラーメイド、スネルゴルフがあります。

(画像をクリックまたはタップすると最大化されます)
2種類のウレタンカバーの違い

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