プレミアムゴルフボールのメリットとデメリット

プレミアムゴルフボールのメリットとデメリット
ディーン・スネル

※以下の文章は、オンラインのゴルフ誌「golfwrx.com」に掲載された記事を、米国スネルゴルフの正規代理店、株式会社アジルパートナーズが翻訳・編集したものです。
(原文リンク先)
http://www.golfwrx.com/370576/snell-the-pros-and-cons-of-premium-golf-balls/

(日本語訳)
こんにちは、ディーン・スネルと申します。私はスネル・ゴルフというゴルフボールの会社を経営しています。もしかすると、この会社名を聞いたことがある方、あるいは私のゴルフボールを使ったことがある方もいらっしゃるかもしれません。そうであれば、私はとてもうれしく思います。

今日の話は私の会社がテーマではありません。本稿の目的は、皆さんが自分に最適なボールを選ぶためのアドバイスをすることです。

私は皆さんと同じように、熱心なゴルファーです。そして、同じようにこのサイトでゴルフのヒントを見つけています。私は皆さんからの、私の開発したボールに対するコメント、あるいはゴルフボール全般に関する意見を、とても楽しく読ませていただいています。それらの点が、この寄稿を引き受けた理由です。この記事によって、皆さんがいくつかスコアを縮め、何ドルか節約していただくことを願っています。

さて、世の中にはゴルフボールは2種類あります。というより、2種類しかありません。
一つは「プレミアムボール」。「ツアーボール」とも呼ばれています。
そして、もう一つはそれ以外。しかし、この先の話をシンプルにするために、「ディスタンス系ボール」と呼ぶことにしましょう。一般的にディスタンス系ボールのほうがツアーボールより低価格です。
ちなみに、どちらのボールを選ぶかはあなたの自由です。事実、私の会社では2種類のボールを両方ともラインナップし、ゴルファーにお勧めしています。
ツアーボールは確かに、ディスタンス系ボールより性能が優れています。しかし、だからといってすべてのゴルファーにツアーボールが必要なわけではありません。
以下の話を読み進めていただければ、その理由を理解していただけるでしょう。

私は27年間、ゴルフボールをデザインしてきました。その間にゴルフボールの設計は劇的に変化しています。あまりにも変化のスピードが速いので、多くのゴルファーはツアーボールが一体どういうものなのか、正しく理解していないのではと思います。
90年代初頭を振り返ると、ゴルフボールの性能テストはドライバーと8番アイアンで行っていました。タイトリストの「ツアー・バラタ」が当時のツアーボールでしたが、ドライバーのスピンがとにかく多かったものです。実際、当時のツアープロはロフト6度や7度のドライバーを使っていました。これは、ドライバーのスピン量を少しでも抑えるためです。アベレージゴルファーはもっとスピン量が多いので、ボールは吹き上がり、右にも左にも大きく曲がっていました。
当時アベレージゴルファーのドライバーのスピン量は4000rpm程度ありましたが、最近のツアーボールを使えば、2500rpmのドライバーショットを打つこともできるようになりました。スピン量が減ればドライバーは飛ぶようになります。アベレージゴルファーがディスタンス系ボールを好むのは、グリーン上でビシっと止まらなくても、飛距離が欲しいからです。
ツアー・バラタ全盛時代からしばらくの後、今日のツアーボールは複層構造になっています。それにより、番手別にスピン量をコントロールすることが可能になりました。これが意味することは、最近のツアーボールは、昔のツアーボールのコントロールと、昔のディスタンス系ボールの飛距離性能の両方を持ち合わせている、ということです。
そして、最近のディスタンス系ボールは、昔のそれよりもずっと飛距離が出ます。しかし、番手別にスピン量がコントロールされているわけではありません。どんなクラブで打ってもスピン量が少ないのです。そのため、曲げたいときにゴルフボールが曲がらなかったり、高く上がりすぎたり、場合によってはフライヤーになってしまうこともあります。

さて、これからが本稿で一番大事な話です。

ツアーボールもディスタンス系ボールも、ドライバーの飛距離は同じです。理由は、第一線のゴルフボール設計者は、ドライバーのスピン量をほぼ同じ範囲で開発しているからです。そして、ディンプル数は各ボールの特性に合わせて最適化されています。ほとんどのゴルフボールはUSGAのルール上限に合わせて作られています。言い換えれば、きちんとしたメーカーのボールは、USGAルール上限のドライバー飛距離性能を持っています。
しかし、グリーンを狙うショットでは、ツアーボールの性能がディスタンス系ボールのそれを凌駕します。統計的に150ヤード以内のショットが一番多く、さらにその半分は100ヤード以内のショットです。150ヤード、100ヤード以内では、ツアーボールの恩恵を受けるゴルファーが少なからずいます。ツアープロのようにバックスピンでボールを戻せるほどではないにせよ、ツアーボールはグリーン上でスピンがきちんとかかります。
ウェッジのショットでは、スピン量が1000rpm増えるごとに、グリーン上の落下地点からの距離が5フィート(約1.5メートル)、より近くに止まります。ゴルフボールが狙ったところに止まれば、バーディーの確率は増え、3パットのリスクも減ります。

つまり、ドライバーのスピン量が少なく、ショートゲームのスピン量とコントロールが増すことが、ツアーボールの最大のメリットです。
とはいえ、最近のゴルフボール選びは、ほぼフィーリングの世界に入っています。昔のディスタンス系ボールはフィーリングが硬く、ツアーボールは柔らかいという印象がありました。上級者はソフトなフィーリングを好んだものです。しかし、飛距離性能を伸ばすために、ツアーボールは年々少しずつ硬くなってきました。そして、反対にディスタンス系ボールのフィーリングは柔らかくなってきました。
さらに、これは昔も今も同じですが、ディスタンス系ボールの耐久性はゴルファーにメリットがあります。ディスタンス系ボールのカバーに採用されているアイオノマーやサーリンは、切れたり傷がついたりしにくいという特性を持っています。しかしながら、最近のウレタンカバーの技術革新により、ツアーボールの耐久性も非常に高くなってきています。

ツアーボールの最大のデメリットは、値段が高いことです。1ダース48ドルもします。ディスタンス系ボールよりツアーボールのほうが値段が高いことには理由があります。ツアーボールは最低でも3層構造になっていますから、ここにコストがかかります。加えて、ウレタンのカバーは材料費も工賃も高くつきます。

さて、ここまでお読みになって、まだどちらのボールがよいか決めきれないあなたに、もう一つアドバイスを差し上げましょう。
ツアーボールとディスタンス系ボールをそれぞれ1スリーブ(3個)ずつ買って、ゴルフコースで打ってみてください。そして、100ヤード、75ヤード、40ヤードで何度か試してください。さらに、いろんなライからアプローチと、パットを打ってみてください。
これを何ホールか試せば、どのボールが好きかわかってくるはずです。その結果ツアーボールを選ぶとは限りません。印象も結果もたいして変わらないのであれば、わざわざツアーボールを買う必要はありません。